空き家を持っている人は必見!2024年7月不動産売買報酬改正で何が変わる?
空き家問題が社会問題となるなか、
政府は新たな対策に乗り出しました。
2024年7月の空き家に関する不動産売買時の仲介手数料が改正され、空き家所有者の仲介手数料負担が増える見込みです。
この点だけをピックアップすると悪いニュースに聞こえますが、そうとは限りません。なぜなら、
今回の
仲介手数料の増額改定はビジネスチャンスも潜んでいるため、
よ
り空き家の流通が進む可能性を秘めているからです。
そこで、今回は改正の内容と不動産市場にどのような変化をもたらすのかについて、詳しく解説します。
・空きにおける仲介手数料増額の内容を詳しく知りたい・空き家を所有しているがどうすればよいかわからない・空き家を購入して不動産投資を始めたい・信頼できる不動産会社と出会いたいこのような悩みをお持ちの人には必見の記事です、ぜひ最後までお読みください。
空き家等に係る媒介報酬規制の見直しの背景
日本は
深刻な空き家問題を抱えており、その解消が喫緊の課題です。
なぜなら、
空き家は災害時の危険源となり、景観を損ね、開発遅延の温床となることで経済的な損失をも招くからです。
この問題を解決するため政府はさまざまな対策を講じており、
その一つが不動産仲介手数料の改正です。
今回の改正は、空き家の売却を促進し、有効活用を図ることを目的としています。
重要なことは、
仲介手数料増額改正はペナルティ的な要素ではないことを理解すべきです。その狙いは、仲介手数料の増額をもって不動産会社の空き家ビジネスへの参画を促し、社会的課題を解決することにあるからです。
空き家等に係る不動産報酬の改正点
空き家等に係る媒介報酬規制の改正点はどのようなものなのでしょうか。今回の報酬額改正のポイントは以下の2点です。
・不動産を売買したときに不動産会社へ支払う仲介手数料の増額・空き家を貸借したときに不動産会社へ支払う仲介手数料の増額これより詳しく解説していきます。
不動産を売買したときに不動産会社へ支払う仲介手数料の増額
安い不動産を売買したときに不動産会社へ支払う
仲介手数料が増額改正されました。
改正の内容は以下の比較表をご覧ください。
出典:国土交通省 「空き家等に係る媒介報酬規制の見直し」より
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001749923.pdf
ここで押さえておきたいポイントをひとつ。
上限内の売買価額であれば、仲介手数料の上限額まで支払わなければならない点に注意してください。もちろん不動産会社による事前の説明と合意は必要ですが、仲介手数料が割高になってしまうことは覚えておきましょう。
空き家を貸借したときに不動産会社へ支払う仲介手数料の増額
今回の改正では、
売買のみならず賃借をしたときに貸主が支払う仲介手数料にもメスが入りました。概要は以下のとおりです。
出典:国土交通省 「空き家等に係る媒介報酬規制の見直し」より
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001749923.pdf
空き家の利活用や処分を検討するとき、売却のみならず賃貸も選択肢に入ることは必然です。しかし、家賃が安い土地や建物を貸し出すにしても不動産会社には相応の苦労が発生するというもの。不動産会社の積極的な市場参加を促すことを目的として、今回の改正では貸主から2ヶ月分の仲介手数料を徴収できることになりました。
ただし、
貸借にあっては「長期の空き家など」が対象になります。長期の空き家とは、国土交通省によれば以下のように解説されています。
・「現に長期間にわたって居住・事業等の用途に供されていない」
⇒ 少なくとも
1年を超えるような期間にわたり居住者が不在となっている
戸建の空き家や分譲マンションの空き室・又は「将来にわたり居住・事業等の用途に供される見込みがない」
⇒ 相続等により利用されなくなった直後の戸建の空き家や分譲マンションの空き室であって、今後も所有者等による利用が見込まれないもの
出典:国土交通省 「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」より
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000013.html#7.2
仲介手数料の増額による影響や効果
今回の
仲介手数料の増額改正によって、市場にはどのような影響や効果が期待されているのでしょうか。
ここでは、改正に伴う影響や効果について解説します。
空き家問題が解消に向けて進む
仲介手数料の上限引き上げにより、
空き家の売却活動が活発化することが期待されます。なぜなら、不動産会社が今まで積極的に手を出さなかった「安い不動産」を取り扱うインセンティブが生まれるからです。
結果として、
空き家の放置による防災リスクや景観の悪化といった問題の解消に繋がることが期待できるでしょう。
地方の不動産市場が活性化する
仲介手数料の増額は、不動産会社にとって収益性の向上につながります。より
多くの物件を取り扱うようになることで、不動産市場全体が活性化することが期待されます。
特に、地方の不動産市場においては、
活性化の起爆剤となる可能性があります。
なぜなら、
地方は不動産の価格が安いからです。
安くて費用対効果の大きい不動産を地方に求める投資家は多いため、今まで放置されていた地方の空き家や空き地がより市場に出回る可能性は大いにあるでしょう。
地方では空き家や空き地を放置される傾向にあります。その理由は以下のとおりです。
・都心部と比較して、空き家や空き地を放置するリスクが小さいから
・土地を所有している人が多いため、第三者による市場参加が見込まれにくいから
・単価が安いため不動産会社が積極的に市場の開拓を行わないから
これらを総合的に勘案すると、
仲介手数料の引き上げにより空き家問題の解消はもちろんのこと、地方の不動産市場が活性化する期待が膨らみます。
地域経済への波及効果が見込まれる
空き家や空き地の解消が進むことで、地域経済が潤う可能性を秘めています。なぜなら、
空き家や空き地は何も手をつけることなく市場に出すことは困難だからです。
空き家であれば、
解体・リノベーション・軽微なリフォームなど多くの選択肢があります。
空き地であっても
除草・植栽の剪定・外構工事など、商品化に向けて手を入れることは珍しくありません。
これら商品化の過程は地域の関連産業へ少なからず良い影響がもたらされるため、地域経済が潤うと予測できます。
不動産会社のサービスが多様化する
仲介手数料の引き上げによって、
不動産会社がそれぞれ独自の付帯サービスを開発・提供することが想定されます。なぜなら、空き家や空き地の所有者をはじめ購入者にとってはデメリットが多いため、それを補うサービスを提供する必要が不動産会社にはあるからです。
仲介手数料の引き上げ理由の一つに「空き家や空き地を商品化するためには調査などに時間と費用がかかる」ことが挙げられています。
そのため、調査や商品化のかたわら、
付帯サービスを提供して仲介手数料増額分を埋め合わせる動きが活発になることが予想されます。
空き家に特化した不動産会社が台頭する
今回の仲介手数料引き上げをきっかけとして、
空き家や空き地を専門に取り扱う不動産会社が台頭することが考えられます。なぜなら、
不動産会社にも得意なジャンルがあるからです。
一言で不動産といっても、
賃貸もしくは売買のいずれかを専門的に取り扱っていることがほとんどです。
また、賃貸や売買でも居住用と事業用の両方を取り扱うことは稀といえるでしょう。
その点、今回の法改正によって
「空き家や空き地」のジャンルが確立する可能性は高いといえます。空き家や空き地に特化した不動産会社がこの領域を席巻するのは必然といえるでしょう。
なお、
弊社:しとくBase.では空き家や空き地の賃貸・売買・管理を生業としております。静岡県(菊川市・掛川市・袋井市・牧之原市・御前崎市・島田市・焼津市)で空き家や空き地のことでお悩みの人はお気軽にご相談ください。問い合わせフォーム
仲介手数料の増額改正はビジネスチャンスになる
この度の改正は、空き家の所有者にとっては売却のチャンス、不動産投資家にとっては投資機会の拡大という、双方にとってメリットの多いものです。また、不動産会社目線でいえば、今回の改正によって一層お客様に寄り添ったサービスを提供していくことが求められます。
これらがうまく混ぜ合わさることで、空き家や空き地の市場取引が進み、地域への経済効果をももたらします。
この改正をきっかけとして、ぜひ空き家空き地を所有している人は
売却・貸借を検討してみてはいかがでしょうか。また、空き家空き地の管理についても目を向ける良い機会になるかもしれません。そのほか、空き家や空き地を購入して不動産投資を始めたい人には
千載一遇のチャンスです。この記事がきっかけとなり、
みなさまが
信頼できる不動産会社と巡り合い、空き家や空き地問題が解消に向かうことを願っています。